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No.8 カラムのショート化におけるトラブル

分析時間を短縮するためにコンベンショナルカラム(150×4.6 mmI.D.)からショートカラム(75×4.6 mmI.D.)に換えたところ、ピークの理論段数が低くてテイリングする(クロマトグラムA)という現象が起こりました。この問題はインジェクタを交換することで解決しました(クロマトグラムB)が、原因は何だったのでしょうか。 交換前後でのインジェクタの違いは試料の拡散の大小です。拡散の影響は保持時間の短いピークほど大きくなります。

このため、コンベンショナルカラムではさほど大きくなかった拡散の影響が、ショートカラムでは大きくなりピーク形状が悪くなったと考えられます。 化合物の分離においてピークの理論段数が低い、ピークの形状が悪いなどのトラブルの原因はカラムに あると思われがちですが、システムのデッドボリューム等のハード面に起因することもあります。 試料の拡散の影響をショートカラムでは案外見落としがちです。ショートカラムを使用する場合でも 配管やインジェクタ等を拡散の小さいものにしてください。