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No.4 セミミクロカラムを使用する時には…

生体試料のHPLC分析では、対象成分によっては複雑な試料調製が必要となり、微量な注入試料しか得られない場合があります。一般に用いられている内径4.6 mmの分析カラムに極微量の試料を注入すると、カラム内での試料拡散によって目的成分がピークとして検出されないことがあります。このような微量成分の検出には内径の小さなセミミクロカラムが有効です。また低い流速で分析がおこなえるので、溶離液を節約する必要がある場合やLC/MSに適用する場合にも有益です。

このように有用性の高いセミミクロカラムですが、使用するに当たって注意することの一つが、カラム性能に影響を及ぼす要因である検出器のフローセルを含めた配管系のデッドボリュームです。
下図に配管の内径およびフローセルの容量がクロマトグラムへおよぼす影響を示しました。通常サイズの分析カラムに用いる配管系では試料のカラム外拡散が大きくなるため、カラム性能(理論段数、ピーク対称性)の低下が認められます。セミミクロカラムを使用するには配管系による試料拡散を抑える必要があります。また一方では、フローセル容量が小さくなればセル光路長も短くなるため、ピーク高さが低くなることも留意しなければなりません。
以上の点を配慮して、目的の分離に適したカラム性能と検出感度を得るためにシステムの環境を整えることが重要です。