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FAQ

カラム・充填剤の基本的な性質について

ワイエムシィのC18カラムのそれぞれの違いは?

ワイエムシィには15種類のC18カラムがあり、基材の違いにより大きく4つに分けることができます。有機シリカハイブリッド基材のYMC-Triartは、シリカ基材のカラムと比較して高性能で耐久性が高いカラムです。コアシェル型シリカゲル基材のMeteoric Coreは、全多孔性のシリカ基材のカラムと比較して卓越した分離能を有しています。シリカ基材を用いたカラムは、高性能カラムProシリーズと従来型のYMC-Pack ODSシリーズ、J'sphere ODSシリーズに分かれます。 Proシリーズはエンドキャッピング効率の面でYMC-Pack ODSシリーズ、J'sphereシリーズの上位シリーズに位置付けられます。C18カラムの選択についてはC18充填剤選択の目安をご覧ください。

YMC-Pack ODS-A、AM、AQそれぞれの違いは?

ODS-AとAMは汎用型ODS、ODS-AQはAやAMよりも炭素含有率が低く、親水性化合物の分離に適した製品です。また、AとAMは基本的物性(基材、炭素含有率、分離特性など)は同じで品質管理基準がAMの方が厳しいという違いがあります。

YMC-Pack Polyamine IIとPA-G、NH2それぞれの違いは?

Polyamine II、PA-Gはポリアミンを化学結合したタイプ、NH2はアミノプロピル基を化学結合したタイプになります。そのため、耐久性の面でPolyamine II、PA-Gの方がNH2より優れています。また選択性にも若干の違いがあります。 Polyamine IIとPA-Gは、結合しているポリアミンの構造が異なります。Polyamine IIはPA-Gの上位種に位置付けられ、耐久性が向上しています。

エンドキャッピングってなに?

一般的なODS(C18)充填剤はシリカゲルにオクタデシル基が結合したものです。これは、シリカ表面のシラノール基とオクタデシル基の反応によるものですが、オクタデシル基はかさ高く全てのシラノール基と反応させることは不可能です。そのため、オクタデシル基反応後もシラノール基は残っています。これらの残存シラノールは、クロマトグラフィにおいて2次的相互作用を生じさせ、多くの場合、クロマトグラムに悪影響を及ぼします。一般的には塩基性化合物のテーリングやカラムへの不可逆的吸着を引き起します。そこで、これらの残存シラノール基をかさの小さいシリル化剤で二次シリル化を行います。これをエンドキャッピングといいます。一般的にエンドキャッピングにはトリメチルシラン(TMS)が使用されます。

水100%移動相で使用できるC18カラムってあるの?

あります。ワイエムシィでは「Triart C18」、「Hydrosphere C18」、「ODS-AQ」というカラムが水100%移動相で使用可能です。一般的なODSカラムでは水100%移動相を使用した場合、安定せず保持時間が短くなる現象が起こり ます。これは疎水性の大きな充填剤表面と水がなじみ難く、充填剤の細孔から水が抜け出すため起こると考えられます。 一方、「Triart C18」、「Hydrosphere C18」、「ODS-AQ」はC18官能基の導入率を下げることによって、充填剤表面の親水性が大きく移動相との溶媒和を実現しているため保持時間の減少がほとんど起こりません。

YMC-Triartの分析カラム製品番号末尾の “WT”、“PTH”、“PTP” の違いは?

WTとPTH、PTPではカラムの接続部分の仕様と耐圧が異なります。すべて同じ充填剤を充填しているので分離性能に差はありません。
PTPはカラムハードウェアがメタルフリー(接液部)のタイプです。

製品番号末尾 接続部仕様 耐圧
PTH パーカータイプ 45 MPa (推奨常用圧力 30 MPa)
WT ウォーターズ (W) タイプ カラム長 150 mm 以下 : 20 MPa
カラム長 250 mm : 25 MPa
内径 10 mm以上 : 10 MPa
PTP パーカータイプ 1.9 µm : 100 MPa
3.5 µm : 45 MPa

※接続部仕様の詳細についてはこちらをご覧ください。

カラムの取扱いについて

カラム圧力の上限は?

カラム圧力の上限は、長さ150 mm以下が20 MPa程度、250 mmが25 MPa程度を目安としてください。ただし、内径が10 mm以上のカラムは10 MPa程度を上限の目安としてください。

以下のように高圧で使用できるカラムもあります。

  • YMC-Triart 1.9 μm : 耐圧 100 MPa
  • YMC-Triart 3 μm, 5 μm (製品番号末尾 PTH) : 耐圧 45 MPa (推奨常用圧力 30 MPa)
  • Meteoric Core :耐圧 60 MPa
  • YMC-UltraHT (長さ50 mm以上) :耐圧 50 MPa
  • YMC-UltraHT (長さ30 mm) :耐圧 40 MPa
  • YMC-Actus :耐圧 30 MPa

詳細は各カラムの使用説明書をご覧ください。

カラムの使用可能pH、温度は?

カラムの使用可能pH、温度は以下の表を参考にしてください。

製品名 pH範囲 使用可能温度
推奨 上限
Triart C18, C18ExRS, C8 1.0 - 12.0 20-40℃ pH 1-7  : 70℃
pH 7-12 : 50℃
Triart Phenyl 1.0 - 10.0 20-40℃ 50℃
Triart PFP 1.0 - 8.0 20-40℃ 50℃
Pro C18, Hydrosphere C18 2.0 - 8.0 20-40℃ 50℃
Pro C18 RS 1.0 - 10.0 20-40℃ 50℃
J'sphere ODS-H80 1.0 - 9.0 20-40℃ 50℃
PolymerC18 2.0 - 13.0 25-35℃ 65℃
Triart Diol-HILIC 2.0 - 10.0 20-40℃ 50℃
上記以外の逆相カラム
順相カラム (SIL, Polyamine II など)
2.0 - 7.5 20-40℃ 50℃

製品によっては上記に当てはまらないものもありますので、詳細は各カラムの使用説明書をご覧ください。

カラムの保管はどうしたらいいの?

長期間カラムを使用されない場合には、カラムに添付の検査成績書に記載されている出荷時封入溶媒に置換し、高温にならない所に保管してください。また、短期間であっても塩や酸を含む移動相での保管はできるだけ避けるようにしてください。カラム内の溶媒が揮発しないように、密栓をしっかり閉めるようにしてください。

カラムの性能をチェックするには?

カラムの性能をチェックするには、購入時に添付されていた検査成績書と同じ条件で検査をしてください。保持時間、理論段数、ピーク形状等に異常がなければカラム性能に変化がなく、使用可能といえます。ただし、購入後数年経過したカラムではこの性能チェックで異常が見られなくても、イオン性化合物等では分離特性が変化している可能性があります。新しい分析メソッド開発の目的には使用しないでください。新しく購入したカラムで再現性が得られない場合があります。

カラム出荷時の封入溶媒は?

Triartシリーズはアセトニトリル100%です。また、 Proシリーズ およびYMC-Pack ODS-A, AM, AQ等では、アセトニトリル/水(60/40)です。各カラムの使用説明書に記載されていますので確認してください。

カラムの洗浄方法は?

  1. 高疎水性の吸着物除去のための洗浄
    一般的に使用している条件よりも溶出力の強い溶媒で洗浄します。例えば逆相系の場合、有機溶媒の比率を上げた溶離液で洗浄します。カラム容積の10倍量程度を目安に通液してください。
  2. 充填剤表面状態復元のための洗浄(ピーク形状や保持時間に異常が認められるとき)
    シリカ系充填剤の場合、残存シラノール基の解離・非解離の状態によって分離挙動に影響を与える場合があります。これを復元するのに酸洗浄が有効な場合があります。0.1%リン酸水溶液/有機溶媒の混液(有機溶媒の比率は10~60%程度)で洗浄することによって、シラノール基を非解離の状態に戻すことが出来ます。

ガードカラムは付けたほうがいいの?

夾雑物の多いサンプルを分析される場合は、ガードカラムの使用が有効です。メインカラムの寿命を延ばすことが出来ます。ガードカラムはメインカラムと同じ充填剤のものを使用されることを推奨します。異なるガードカラムを使用するとピーク形状不良や再現が得られないといった問題が生じることがあります。ガードカラムには、通常のタイプの他にカートリッジタイプのものがあります。頻繁にガードカラムを交換される場合にはカートリッジタイプをお奨めします。また、ガードカラムはメインカラムの内径と同じか、やや小さいものを選択してください。

カラム製品番号末尾の”WT”、”PT”、"PTH"、"PTP"ってなに?

WTはウォーターズタイプ、PT、PTH、PTPはパーカータイプの接続を意味しています。現在市販されているカラムのほとんどはこのタイプの接続です。ウォーターズタイプ、パーカータイプ以外では、島津タイプや日本分光タイプ、日立タイプといった種類があります。これらの違いはフェラルの先端から出ている配管部分の長さです。フェラル一体型のピーク製のオシネを使用している場合には問題になりませんが、ステンレス製の配管、オシネを使用されている場合は、配管とカラムのフィッティングがうまくいかず、液漏れ、ピーク形状不良を起こしたりします。ご使用のシステム、カラムを確認してご使用ください。

セミミクロカラムを使用するとき、システムや流速はどうしたらいいの?

セミミクロカラム(ここでは内径1.0~2.0 mm I.D.のものをセミミクロカラムと呼びます)を使用する際の流速は一般的に50~200 μL/min程度で使用されます。カラム長が短くバックプレッシャーが低い場合には、さらに流速をあげることも可能です。システムは通常のHPLCを使用することも可能ですが、試料拡散による理論段数の低下を防ぐために、ポンプ、検出器のフローセル、配管をセミミクロ対応のものにすることが望まれます。

カラムのスケールアップはどのようにしたらいいの?

分取をするためカラムのスケールアップをする場合、次のような流れで行います。

  • ステップ1
    分離条件を分析カラムを用いて検討します。
  • ステップ2
    分取スケールを検討します。分取したい量によってカラム径や充填剤粒子径を設定します。
  • ステップ3
    選択した充填剤を詰めた内径4.6 mmや6.0 mmなどの分析カラムを用いて分取条件の最適化を行います。ステップ1で用いた分析カラムと同じ充填剤粒子径の場合には省略できます。分取スケールが内径100 mm以上の場合、続いて20 mm内径のカラムで負荷量の確認とランニング コストの算出を行います。
  • ステップ4
    分取の実施

トラブル解決について

カラムの圧力が上昇してしまった時の対処方法は?

カラム洗浄方法の「1.高疎水性の吸着物除去のための洗浄」に従い洗浄してください。注入した試料の特性を考慮して試料が溶解しやすい溶媒を洗浄溶媒として洗浄するのも効果的です。また、フリットの目詰まりやカラムの著しい汚れが予想される際は逆フローでの洗浄が効果的です。
圧力上昇がたびたび起こる場合は、試料の前処理やガードカラムの装着など圧力上昇を防止することが望まれます。

トラブルシューティング:カラムの圧力が上昇したら

ピーク形状が悪いときの対処方法は?

  1. 移動相条件が不適切
    サンプルがイオン性の化合物の場合、サンプルのpKaと移動相のpHが近いとピーク形状不良を起こします。移動相pHをpKaから離れた値に設定してください。
  2. サンプル溶解溶媒の影響
    サンプル溶解溶媒が移動相と異なると、ピーク形状不良が起こる場合があります。その場合は、サンプル溶液を移動相で希釈するか注入量を少量にするといった処置をしてください。
  3. サンプル注入量の過負荷
    サンプル注入量が過負荷の場合にもピーク形状不良が起こります。サンプル注入量を減らしてください。
  4. 平衡化不足
    前回の分析がpH調整をした条件で、今回の移動相とpH差が大きいときや、移動相の塩濃度が低いときなどは、カラムの平衡化に時間がかかる場合があります。
  5. カラムの汚れ、劣化
    カラムの汚れが原因の場合、「1.高疎水性の吸着物除去のための洗浄」に従い洗浄してください。劣化の場合は回復は不可能です。新しいカラムを購入してください。
  6. システムの問題
    セミミクロカラム使用時など、低流速で使用している場合、InjectorからカラムIN側の配管や検出器セル内で拡散が生じ、ピークテイリングの原因となります。システムをセミミクロ対応のものにすることが望まれます。

トラブルシューティング:ピーク形状の異常

ゴーストピークが発生します。どうしたらいいの?

  1. インジェクタの汚れ
    サンプルを注入せず移動相のみをインジェクションしてみてください。ゴーストピークが発生する場合、インジェクタを洗浄してください。
  2. グラジエント分析時
    カラムに吸着した不純物が溶出力の強い溶媒組成になったとき、ゴーストピークとして検出されることがあります。カラムの洗浄方法「1.高疎水性の吸着物除去のための洗浄」に従い洗浄してください。それでも改善されない場合は、溶媒の不純物が検出されている可能性があります。使用溶媒のグレードを上げたり、ミキサー前にガードカラムを付け不純物をトラップするといった処置をしてください。

トラブルシューティング:ゴーストピークの原因

カラムを乾燥させてしまったら?

まず、通常の分析時より低い圧力(1/2以下)で溶媒(シリカ以外:MeOH、シリカ:ヘキサン)を流し、エアを抜いてください。エアが抜けきったことを確認したら、カラムに添付されている検査成績書の条件をトレースして性能チェックをしてください。

再現性がとれません。どうしたらいいの?

  1. 移動相条件が不適切
    • イオン性化合物の分析で、移動相のpHコントロールをしない、または移動相の塩(酸)濃度が低い場合、再現性が得られ難いことがあります。この場合は塩濃度を高めてください。
    • 移動相のpHがサンプルのpKa付近に設定されていると、移動相調整時の微妙なpHのずれで保持時間が大きく変動してしまいます。サンプルのpKaから離れた値に移動相のpHを設定してください。
  2. システムの差異
    システムが異なると、クロマトグラムの再現が取れない場合があります。ポンプや検出器、インジェクタ等のメーカーが異なるとデッドボリュームが異なり、システム間でピーク形状の再現が取れない場合があります。また、カラム恒温槽のメーカーが異なる場合、同じ温度設定であってもカラムにかかる温度が異なり、保持時間などに影響することがあります。一連の分析は同一システムで分析されることをお奨めします。
  3. カラムの使用履歴
    同じ種類のカラムでも、使用履歴が異なるとクロマトグラムの再現が取れない場合があります。例えばイオンペア試薬を含む移動相条件でカラムを使用していたり、疎水性の高い試料が吸着したりして充填剤の表面状態が変わってしまい、再現の取れないケースがあります。同一分析は同じカラムを使用されることを推奨します。
  4. 水100%移動相の使用
    一般的なODSカラムの場合、水100%移動相を使用すると保持時間が短くなる現象が起こり、クロマトグラムの再現が得られません。この様な場合、現在各社より水100%移動相使用可能なカラムが販売されていますので、それらを使用されることを推奨します。ワイエムシィでは「Triart C18」、「Hydrosphere C18」、「ODS-AQ」というカラムが水100%移動相で使用可能です。
  5. 移動相のグレードの違い
    移動相に用いる溶媒のグレードが異なると、クロマトグラムの再現が得られない場合があります。低グレードの溶媒に含まれている不純物が塩の働きをすることによって、クロマトグラムに影響を与える場合があります。使用する溶媒はHPLC用をお奨めします。

イオンペア試薬を添加したけど、保持が伸びない。なぜ?

イオンペア試薬の濃度が高すぎることが原因です。一般にイオンペア試薬の濃度が高いほど保持は大きくなりますが、イオンペア試薬の濃度が一定以上になるとミセルを形成するため、逆に保持が短くなることがあります。イオンペア試薬の濃度は分析スケールで通常5 mM~20 mM程度で使用しますが、濃度が高くなるほど充填剤の劣化が早くなるので出来るだけ低濃度に設定してください。