BioPro HIC BFは担体の疎水性を高く設計した疎水クロマトグラフィー用カラムです。疎水性の小さいタンパク質の分離に適しています。
仕様 | |
基材 | 親水性ノンポーラスポリマー |
---|---|
粒子径 | 4 μm |
官能基 | ブチル |
使用温度範囲 | 10~60°C |
使用pH範囲 | 2~12 |
使用圧力上限 | 20 MPa |
BioPro HIC BFは担体を高疎水性設計しているため、BioPro HIC HTや他社カラムと比較して、タンパク質の保持が大きくなります。疎水性が小さく、他のカラムでは保持できないようなタンパク質の分離に有効です。
Column | 100 X 4.6 mmI.D. |
---|---|
Eluent | A) 100 mM NaH2PO4-Na2HPO4 containing 2.0 M (NH4)2SO4 (pH 7.0) |
Flow rate | 0.5 mL/min |
Temperature | 25°C |
Detection | UV at 280 nm |
Injection | 15 µL |
Sample | 1. Adalimumab (0.5 mg/mL) |
抗体医薬品の特性解析の一つである、酸化体の分析例を示します。酸化体のピークは、非酸化抗体よりも低疎水性側に溶出するため、タンパク質の保持力が強いBioPro HIC BFが適しています。
tert-Butyl hydroperoxide (t-BHP)を用いてモノクローナル抗体(NIST mAb)のメチオニン残基を酸化し、酸化体をBioPro HIC BFを用いて分析しました。
移動相の塩に(NH4)2SO4を用いたクロマトグラム(a)では、非酸化抗体の前に酸化体と推測される4本のピークが観測されました。メチオニン残基の酸化により構造が変化したことで、疎水性が変化したと考えられます。
塩をNaClにすると(クロマトグラム(b))さらに分離が向上し、8本の酸化体ピークが検出できました。
Column | BioPro HIC BF 4 μm, 100 X 4.6 mmI.D. |
---|---|
Eluent | A) 100 mM NaH2PO4-Na2HPO4 containing
salt (pH 7.0) B) 100 mM NaH2PO4-Na2HPO4 (pH 7.0) 40-80%B (0-40 min), 80%B (40-45 min) |
Flow rate | 0.3 mL/min |
Temperature | 25°C |
Detection | UV at 280 nm |
Injection | 5 µL (1.0 mg/mL) |
NIST mAbの酸化体および非酸化体をパパイン消化によりFabとFcに断片化したフラグメントを分析しました。
非酸化体の分析においてFabとFcの分離が確認できました。酸化処理したフラグメントの分析では、 FabおよびFcの低疎水性側にそれぞれの酸化体と推測されるピークが検出されました*。
*Journal of Chromatography A, 2008, 1214, 81-89
Column | BioPro HIC BF 4 μm, 100 X 4.6 mmI.D. |
---|---|
Eluent | A) 100 mM NaH2PO4-Na2HPO4 containing 2.0 M (NH4)2SO4 (pH 7.0) B) 100 mM NaH2PO4-Na2HPO4 (pH 7.0) 40-80%B (0-10 min) |
Flow rate | 1.0 mL/min |
Temperature | 25°C |
Detection | UV at 280 nm |
Injection | 5 µL (0.5 mg/mL) |
BioPro HIC BFカラムは、サンプルの負荷量を上げても良好なピーク形状を示します。このため、トータル負荷量を上げてマイナーピークまで検出したい場合や、小スケールの精製にも有効です。
Column | BioPro HIC BF 4 μm, 100 X 4.6 mmI.D. |
---|---|
Eluent | A) 100 mM NaH2PO4-Na2HPO4 |
Flow rate | 1.2 mL/min |
Temperature | 30ºC |
Detection | UV at 280 nm |
Sample | Humanized monoclonal IgG (2.5 mg/mL) |