フローケミストリー

フロー反応とは

フロー反応(マイクロリアクタ)とは、微細な流路に原料を流し込むことで化学反応を行う新しい化学反応ソリューションです。従来のフラスコ方式では難しかった反応でもフロー効果・マイクロミキサの効果により反応収率の向上、条件の緩和、操作の簡便化など様々な効果が期待できます。

フロー反応が有効な反応

  • 発熱反応
    精密な温度制御と優れた熱交換能により、これまで極低温が必要であった反応がより温和な条件で行えます。
  • 不安定中間体を含む反応
    反応器内の滞留時間の短縮と精密な温度制御により、中間体の分解を防ぎます。
  • 生成物が更に反応しやすい反応
    高速混合により目的化合物を合成し、フロー効果により反応時間を調整することで、迅速に反応を停止できます。
  • 異相(固・液・気)接触による反応
    比表面積の増大により、接触効率が関与する気-液反応や光反応などの反応性が向上します。
  • 微粒子・エマルジョン生成
    ナノ・マイクロ空間を利用することで粒子径・粒子分布を精密に制御できます。

反応例

従来のフラスコでの反応(Batch)では、生成物同士が反応しやすく目的物以外の化合物(上記化合物2)を生成してしまい、目的物(上記化合物1)のみの選択的な合成には低温条件が必要でした。

しかし、フロー反応システムではフロー効果による流速の調整のみで反応性の高い化合物の滞留時間を短く制御することができ、マイクロミキサの効果により迅速にDMFと反応させることで生成物同士による副反応を抑えることができます。
低温で行う必要もないため、コスト削減にも役立ちます。