YMC-Triart Bio C4は、タンパク質の分離に適した有機シリカハイブリッド基材のワイドポアC4カラムです。高温条件で使用することで、分子量15万程度までの抗体などのタンパク質の分離が可能です。また、タンパク質の分析において、ギ酸を添加した移動相条件でも良好なピーク形状が得られるため、LC/MSでの高感度分析に有効です。タンパク質や抗体の分離のほか、疎水性が高く通常のC18カラムでは分離困難な中分子や低分子にも有効です。
仕様 | |
基材 | 有機シリカハイブリッド |
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粒子径 | 1.9 μm, 3 μm, 5 μm |
細孔径 | 30 nm |
使用pHレンジ | 1~10 |
USP Class | L26 |
インタクトモノクローナル抗体をTriart Bio C4を用い、40℃から90℃までの各温度で分析しています。50℃まではピークが溶出していないのに対し、70℃以上では良好なピーク形状が得られています。このように逆相での抗体分析は高温条件が用いられますが、耐久性に優れたTriart Bio C4は90℃でも安定した分析が可能です。
Column | YMC-Triart Bio C4 (3 µm, 30 nm) 150 X 3.0 mmI.D. |
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Eluent | A) water/TFA (100/0.1) B) acetonitrile/TFA (100/0.1) 30-60%B (0-15 min), 90%B (15-30 min) |
Flow rate | 0.4 mL/min |
Detection | UV at 220 nm |
Sample | Bevacizumab (0.5 mg/mL) |
Injection | 4 µL |
逆相カラムでのタンパク質やペプチドのLC/MS分析においては、TFAを添加した場合と比較してLS/MSの感度が高くなるギ酸を添加した移動相が好まれますが、ピーク形状がブロードになりがちです。
下記では、抗体の消化断片をTFAもしくはギ酸を添加した移動相でそれぞれ分析しています。Triartではギ酸を添加した移動相条件でも良好なピーク形状を示すため、LC/MSでの高感度分析に有効です。
Column size | 150 X 2.1 mmI.D |
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Eluent <TFA> | A) water/TFA (100/0.1) B) acetonitrile/TFA (100/0.1) 25-50%B (0-10 min), 90%B (10-12.5 min) |
Eluent <Formic acid> | A) water/formic acid (100/0.1) B) acetonitrile/formic acid (100/0.1) 20-45%B (0-10 min), 90%B (10-12.5 min) |
Detection | UV at 280 nm |
Flow rate | 0.4 mL/min |
Temperature | 80°C |
Injection | 4 µL (0.25 mg/mL) |
Sample | mAb subunit Standard (Waters社製) |
TFAを含む溶離液を使用した高温条件はペプチド・タンパク質の分離の向上に有効ですが、通常の逆相カラムではカラム寿命が問題となります。Triartは有機シリカハイブリッド基材に緻密な表面修飾を施しているため、1%TFA、90°Cのような厳しい条件でも卓越した耐久性を有しています。このため、通常のカラムには適用しにくい条件での分析も可能です。
カラム性能評価条件 | |
Column | 5 μm, 150 X 3.0 mmI.D. for C4 5 μm, 50 X 2.0 mmI.D. for C18 |
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Eluent | acetonitrile/water (60/40) |
Flow rate | 0.4 mL/min for 3.0 mmI.D. 0.2 mL/min for 2.0 mmI.D. |
Temperature | 37ºC |
Sample | butyl benzoate |