Triart C18は新開発の有機シリカハイブリッド基材に緻密な表面修飾を施しているため、卓越した耐久性を有しており、広範囲のpHや高温条件で使用可能です。
エリスロマイシンは酸に対して不安定で分解されやすいため、HPLC分析では中性以上のpHの移動相が用いられます。また、カラム温度についても高温の方が良好なピーク形状が得られます。Triart C18は卓越した耐久性を有しているため、高温、高pHの厳しい条件下でも安定した分析が可能です。
pH7.9, 70℃での連続分析
1. Erythromycin (EA)
2. Erythromycin ethylsuccinate (EES)
3. Erythromycin estolate (EE)
Column | YMC-Triart C18 (3 μm, 12 nm), 50 X 2.0 mmI.D. |
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Eluent | 20 mM KH2PO4-K2HPO4 (pH 7.9)/acetonitrile/methanol (40/45/15) |
Flow rate | 0.2 mL/min |
Temperature | 70ºC |
Detection | UV at 210 nm |
一般的なC18カラムでは水100%移動相条件で使用すると、充填剤表面の疎水基と水との反発により充填剤表面が水和されにくく、本来の分離挙動を示さない場合があります。Triart C18はC18リガンド密度の最適化により適度な疎水性と水素結合性を両立しているため、水100%移動相条件においても良好な保持と再現性が得られます。
下図は水100%移動相で有機酸を分離する場合の保持時間の安定性を示しています。ポンプ停止前後で 保持時間の変化はほとんどなく、安定した分離が得られます。
1. Oxalic acid
2. Tartaric acid
3. Glycolic acid
4. Formic acid
5. L-Malic acid
6. Malonic acid
7. Lactic acid
8. Acetic acid
9. Maleic acid
10 . Citric acid
11 . Succinic acid
12 . Fumaric acid
13 . Acrylic acid
14 . Propionic acid
Column | YMC-Triart C18 (3 μm, 12 nm), 150 X 3.0 mmI.D. |
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Eluent | 20 mM H3PO4 |
Flow rate | 0.425 mL/min |
Temperature | 37ºC |
Detection | UV at 220 nm |
アセトニトリルなど移動相よりも溶出力が強い溶媒に溶解した試料を分析する場合は、注入容量が多くなるとピーク割れなどの異常が生じるため、注入容量に制約があります。細孔分布や表面修飾が均一なTriart C18では、従来品の2倍以上の容量の注入が可能です。このため、親水性化合物の分析や生体試料など希薄成分の分析で注入量を多くしたい場合に有効です。
注入容量によるピーク形状への影響
Column | 5 μm, 50 X 2.0 mmI.D. or 2.1 mmI.D. |
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Eluent | A) water/formic acid (100/0.1) B) acetonitrile/formic acid (100/0.1) 5%B (0-0.5 min), 5-100%B (0.5-2.5 min) |
Flow rate | 0.4 mL/min |
Temperature | 40ºC |
Detection | UV at 275 nm |
LC/MSによるブランクランでTICを測定しています。Triart C18を接続して測定したTICはカラム無しの場合と同等で、カラム由来のブリードは認められません。このような低ブリードのカラムではバックグラウンドノイズが低減されS/N比の向上による感度アップが期待できます。
LC/MSによるブリード試験
Column | 5 µm, 50 X 2.0 mmI.D. |
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Eluent | A) water/formic acid (100/0.1) B) acetonitrile/formic acid (100/0.1) 5%B (0-1 min), 5-100%B (1-5 min), 100%B (5-10 min), 100-5%B (10-10.1 min), 5%B (10.1-12.5 min) |
Flow rate | 0.4 mL/min |
Temperature | 40℃ |
Detection | ESI positive, TIC (Mass Range: 50-1000) |
高温での分析はタンパク質・ペプチドの選択性変化やピーク形状の改善に有効です。通常の逆相カラムではTFAを添加した強酸性移動相の条件下での高温分析は耐久性が問題となりますが、有機シリカハイブリッド基材のTriart C18は優れた耐久性を有するため、高温条件下での使用が可能です。Triart C18の細孔径は12nmですが、高温条件で使用することで分子量3万までのタンパク質分析が可能となります。
Column | YMC-Triart C18 (1.9 μm, 12 nm), 50 X 2.0 mmI.D. |
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Eluent | A) water/TFA (100/0.1) B) acetonitrile/TFA (100/0.1) 10-80%B (0-5 min) |
Flow rate | 0.4 mL/min |
Detection | 220 nm |