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siRNAは、疾患の原因となるmRNAを切断し遺伝子発現を抑制することができるため、核酸医薬品としての開発が活発化しています。
siRNAは20mer程度の二本鎖RNAで、加熱条件やアルカリ性条件下では相補鎖が分離し、一本鎖に変性します。siRNAの分析においては、二本鎖のまま非変性の状態で分析する場合と、一本鎖に変性させて分析する場合があります。
ここでは逆相、イオン交換モードにおける変性、非変性条件でのsiRNAの分析についてご紹介します。
バイオイナートカラムのAccura Triart Bio C18を用い、二本鎖のsiRNAおよび一本鎖のセンス鎖、アンチセンス鎖をそれぞれ分析しています。移動相のイオンペア試薬にはTEA(Triethylamine)、酸にはHFIP(1,1,1,3,3,3-hexafluoro-2-propanol)または酢酸を使用しています。どちらの条件においても、カラム温度を高くすると二本鎖のsiRNAが変性し、一本鎖の状態で溶出しています。酢酸を添加した条件では、HFIPを使用した場合より低温で変性しています。イオンペア試薬の種類や添加する酸の種類によって、分離や変性状態が変化することがあります。
リン酸基をもつオリゴ核酸の分析においては、カラムハードウェアなどへの吸着がしばしば問題になりますが、バイオイナートカラムを使用することで吸着を抑制でき、良好なピーク形状が得られています。
[移動相]
[カラム]
[その他]
siRNA (Tm 47.3℃)
5’-CGUACGCGGAAUACUUCGAdTdT-3’ sense strand
3’-dTdTGCAUGCGCCUUAUGAAGCU-5’ antisense strand
Column | Accura Triart Bio C18 (1.9 µm, 30 nm) 50 X 2.1 mmI.D. |
---|---|
Eluent | A) クロマトグラム参照 B) methanol |
Gradient slope | 1%B/min |
Flow rate | 0.42 mL/min |
Detection | UV at 260 nm |
陰イオン交換カラムBioPro IEX QFを使用したsiRNAの分析において、pH 8.1の中性条件ではいずれの温度条件でも二本鎖は変性せずに溶出しています。一本鎖のセンス鎖、アンチセンス鎖では、相補的な配列部分で二本鎖構造を形成すると考えられ、これらが混在する25°C、40°Cではピークのブロードニングが生じています。温度を上げることでこれらの部分的な二本鎖構造が解消され、シャープなピーク形状が得られたと推測されます。
siRNA (Tm 47.3℃)
5’-CGUACGCGGAAUACUUCGAdTdT-3’ sense strand
3’-dTdTGCAUGCGCCUUAUGAAGCU-5’ antisense strand
Column | BioPro IEX QF (5 µm) |
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Eluent | A) 20 mM Tris-HCl (pH 8.1) B) 20 mM Tris-HCl (pH 8.1) containing 1 M NaClO4 25-40%B (0-30 min) |
Flow rate | 0.5 mL/min |
Temperature | クロマトグラム参照 |
Detection | UV at 260 nm |
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